服屋で声をかけられたくないのはなぜ?店員との気まずい距離感を考える

服屋で洋服を選ぶ男性客と接客のタイミングをうかがう店員。アパレル店員が話しかけてくる理由や、客との気まずい距離感を解説する記事のアイキャッチ画像。 暮らし・買い物・生活

服屋で声をかけられると少し身構えてしまう

夏物の服を少し取り入れたいなと思い、服屋を訪れることにした。

到着し数分経つと、店員さんから

「何かあればお声がけください」

と丁寧に声をかけられた。

今まで生きてきてその都度思っていたが、この声かけを嬉しいと感じる人と、少し苦手に感じる人がいるのではないだろうか。

私はどちらかというと後者だ。

どうしても少し会話をしてしまうと、「何か買わなければならない」という心理になってしまうからである。頭では買わなくても問題ないと分かっていながらも、気持ちがそれに追いつかないのだ。

声かけを嬉しいと感じる人もいる

一方で、店員からの声かけを歓迎する人もいるだろう。

例えば、

  • 自分から店員に話しかけるのが苦手
  • 商品選びで迷っている
  • 質問したいことはあるがタイミングが分からない
  • 自分の状況を察して声をかけてもらえると助かる

このような人にとっては、「何かあればお声がけください」は安心できる言葉なのかもしれない。

つまり、この時点で客側の最適解はすでに分かれているのである。

服屋で話しかけられるのが苦手なのは普通?

服屋で店員に話しかけられるのが苦手なのは、決して珍しいことではない。

SNSなどを見ても、

  • 自分のペースで商品を見たい
  • 買うかどうかまだ決めていない
  • 店員との会話が負担に感じる
  • 声をかけられるとその店を出づらくなる

といった意見は少なくない。

特に、「少し会話をした以上は何か買わなければ申し訳ない」と感じる人は一定数存在する。

私もまさにそのタイプである。

店員が声をかけるのには理由がある

とはいえ、店員側にも声をかけなければならない事情がある。

例えば、

  • 売上につなげるため
  • 接客マニュアルに含まれているため
  • 本当に困っている客への対応
  • 店舗としてのサービス品質を保つため

などが挙げられるだろう。

つまり店員は好き勝手に話しかけているわけではない。

仕事として、その時点での最適解を実行しているだけなのである。

実は客も店員も悪くない

ここがこの問題の面白いところだと思う。

放っておいてほしい客も、話しかけなければならない店員も、それぞれの立場では正しい。

しかし、その正しさ同士がぶつかることで、なんとも言えない微妙な空気感が生まれる。

客は「そっとしておいてほしい」と思いながら商品棚を移動する。

店員は「今は興味がないだけかもしれない」と距離を測る。

互いに敵意はない。

それでも数メートルの距離を保ちながら探り合う。

あの空気感は、服屋でしか味わえない独特の駆け引きのように感じる。

気まずさを減らす方法はあるのか

その微妙な空気感を減らす方法があるとすれば、客側は「話しかけられる前提」で入店することかもしれない。

いざ声をかけられたら、
「きたきた」

と心の中で思いながら、

「何かあればお聞きします」

くらいのあっさりした返答をする。

それだけでも気持ちは少し楽になる。

一方で店員側も、売り手である以上ある程度の声かけは必要だろう。

ただ、押しすぎれば退店のきっかけになってしまうことも頭の片隅に置いておくと、お互いに心地よい距離感を探りやすくなるかもしれない。

あの「何かあればお声がけください」は、単なる営業トークではない。

放っておいてほしい客と、話しかけなければならない店員。

互いが異なる最適解を持ちながらも、同じ空間で距離感を探り合う、現代特有の小さな駆け引きなのかもしれない。

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