仕事や日常生活で何かを注意されたとき、
「後でやろうと思ってました」
と言う人を見たことはないでしょうか。
もちろん、本当に後でやる予定だった可能性もあります。
しかし、まだ何もしていない段階で、なぜ「やろうと思っていた」という説明をしたくなるのでしょうか。
そこには、できていないという事実とは別に、自分の意図や立場を説明したくなる心理が隠れているのかもしれません。
「後でやろうと思ってました」と言う人はなぜそう言う?
「やるつもりだった」と伝えたくなる
「まだやっていない」という事実だけを見れば、やる気がなかった、忘れていた、後回しにしていたと思われるかもしれません。
そこで、
「後でやろうと思ってました」
と付け加える。
これは、行動の結果ではなく、「自分にはやるつもりがあった」という意図を伝えようとしているとも考えられます。
つまり、
「やっていない=やる気がなかった」
と思われるのを避けるために、行動と気持ちを切り分けて説明しているわけです。
本人にとっては、意識的な言い訳というより、注意された瞬間に出てくる反射的な反応なのかもしれません。
「忘れていた」とは思われたくない
「忘れてました」と言えば、自分の管理不足をそのまま認めることになります。
一方、
「後でやろうと思ってました」
なら、「忘れていた」のではなく、「やるタイミングを後ろにしていただけ」という説明に変えることができます。
もちろん、本当に後でやる予定だった可能性は否定できません。
ただ、結果としてまだやっていなかったことに変わりはありません。
それでも先に「やるつもりだった」と伝えたくなるところに、この言葉の面白さがあります。
注意されたとき、なぜ人は言い訳をする?
「できていない」という事実を認める前に、理由を話したくなる
例えば、
「この仕事、できた?」
と聞かれたとします。
自然な回答は、
「できました」
あるいは、
「まだです」
でしょう。
そして「なぜまだできていないの?」と聞かれて初めて、理由を説明するのが自然な流れです。
ところが実際には、
「後でやろうと思ってました」
「忙しかったので」
「やる予定だったんです」
と、できているかどうかの回答より先に理由を話す人もいます。
ここには、「できていない」という事実をそのまま受け止められたくない心理が表れている可能性があります。
結果は変わらなくても、理由を添えることで、自分の立場を少しでも軽くしたくなるのです。
余裕がない状態ほど、言い訳が先に出ることもある
ただし、言い訳が出るからといって、必ずしもその人の性格に問題があるとは限りません。
仕事がいくつも重なっていたり、すでに余裕がなくなっていたりすれば、注意された瞬間に冷静に「まだできていません」と受け止めるより、
「後でやろうと思ってました」
と反射的に事情を説明したくなることもあります。
心にも仕事にも余裕がないと、自分の行動を振り返って立て直すより、まず「なぜそうなったのか」を説明する方向に意識が向きやすくなることもあるでしょう。
だから、言い訳という一つの発言だけで、その人の性格を決めつけるのは早いのです。
「後でやる」が口癖になると、なぜ忘れてしまう?
「後でやる」が口癖になっている人は、必ず忘れやすいのでしょうか。
そうとは限りません。
ただ、「後でやる」と決めることで、今すぐ取り組まなくてもいいという心理的な安心を得ることはあります。
その後、別の仕事や用事が入れば意識はそちらへ移っていきます。
すると、
後回しにする
↓
一度意識から外れる
↓
別のことに集中する
↓
そのまま忘れる
という流れが起こることがあります。
「後でやる」と考えた時点では本当にやるつもりだったとしても、先送りを繰り返すことで、結果的に忘れてしまうことはあるのです。
仕事でミスしたときに言い訳する人の心理とは?
原因を説明することと、言い訳をすることは違う
仕事でミスをしたときに、原因を説明すること自体は悪いことではありません。
「確認する時間がありませんでした」
「指示の内容を理解できていませんでした」
「別の仕事を優先していました」
など、原因が分からなければ改善もできないからです。
ただし、
原因を説明することと、自分の責任から逃げることは別です。
例えば、
「忙しくて確認できませんでした。次からはこの段階で確認します」
なら、原因の説明が改善につながっています。
一方、
「忙しかったので」
「知らなかったので」
「後でやろうと思ってました」
だけで終わるなら、原因を伝えることよりも、自分の責任を軽くすることが目的になっている可能性があります。
大切なのは、理由を説明したかどうかではなく、その後にどう向き合うかなのでしょう。
「後でやろうと思ってました」だけで、その人の性格は判断できる?
ここまで見てきたように、「後でやろうと思ってました」という一言だけで、その人を仕事ができない人、大雑把な人などと判断することはできません。
本当に後でやる予定だったのかもしれません。
他の仕事を優先していたのかもしれません。
単純に忘れていた可能性もあります。
あるいは、注意された瞬間に反射的に説明してしまっただけかもしれません。
同じ言葉でも、その背景にはいくつもの可能性があります。
一つの言葉や行動だけで、その人の性格を決めるのではなく、その後の行動まで見ていく必要があるでしょう。
ここで、第一印象にも似たところがあります。
私たちは相手のすべてを知っているわけではなく、目に入った限られた情報から、その人についての人物像を作っています。
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言い訳を見ると、その人が何を守ろうとしているのかが見えてくる
「後でやろうと思ってました」という言葉そのものより、面白いのは、
なぜ、その人は今この言葉を付け加えたのか。
という部分です。
「やる気がなかったと思われたくない」のか。
「忘れたと思われたくない」のか。
「自分だけが悪いと思われたくない」のか。
それとも、単純に余裕がなく、反射的に事情を説明しただけなのか。
同じ「言い訳」に見える言葉でも、そこにある心理は同じとは限りません。
だから人を見るときは、「その人が何をしたのか」だけではなく、
「なぜ、それを説明したくなったのか」
まで見てみる。
そうすると、一見ただの言い訳に見える一言から、その人が何を気にしているのか、何を守ろうとしているのかが見えてくるのかもしれません。


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