自分が原因なのに相手のせいにする人の心理とは?他責思考で謝らない理由

自分が原因なのに相手のせいにする人の心理を描いたイラスト。「それは相手が悪いよ」と責任転嫁する人物と、疑問を抱く人物が描かれている。 無意識の行動・癖

「明らかに本人のミスなのに、なぜか相手の問題を探し始める人がいる。」

例えば、自分が確認していなかったことが原因なのに、

「なんで教えてくれなかったの?」

と、相手側の問題を持ち出す。

自分にも原因があるはずなのに、なぜか自分以外のところに原因を探してしまう。

こうした考え方は、一般に「他責思考」や「責任転嫁」と呼ばれる。

では、なぜ人は自分が原因かもしれない場面で、相手のせいにしたくなるのだろうか。

その背景には、失敗そのものよりも、「自分が悪かった」と認めることによって生じる心理的な負担が関係していることがある。

自分が原因なのに相手のせいにするのはなぜ?

自分が原因だったと認めれば、

「自分が悪かった」

「確認すべきだった」

「次から気をつけなければいけない」

と、自分自身に責任が返ってくる。

そこで、

「でも、相手が○○してくれていたら……」

と別の原因を探す。

一見すると原因を分析しているようにも見えるが、実際には自分に向かってくる責任を少し遠ざけようとしているとも考えられる。

さらに、「自分が悪い人だと思われたくない」という気持ちが強ければ、

「自分だけが悪かったわけではない」

という形に持っていきたくなる。

つまり、問題そのものを解決することより先に、失敗した自分の評価を下げないことに意識が向いてしまうことがある。

だから、「確認できていなかった」という事実よりも、「教えてもらっていない」という別の要素を持ち出したくなるのかもしれない。

他責思考・責任転嫁する人の特徴とは?

他責思考は、考え方だけではなく、普段の言葉や反応にも表れる。

分かりやすいのが、「でも」「だって」が多いこと。

注意されたときに、

「でも○○だったから」

「だって○○が……」

と、すぐ別の原因を持ち出す。

自分の行動を振り返るより先に、周囲の問題を説明することが習慣になっているなら、責任を自分から遠ざける傾向が表れている可能性がある。

また、「何が起きたのか」を聞かれているのに、

「相手がこうした」

「環境が悪かった」

「教えてもらっていない」

など、周囲の話から始める人もいる。

さらに特徴的なのが、謝る前に理由を説明すること。

「ごめん、確認できてなかった」

ではなく、

「いや、○○って言われてたから……」

と、まず自分が悪くない理由を説明する。

謝罪より先に弁明が出てくるところに、その人の考え方が表れることもある。

なぜ他責思考の人は「ごめん」が言えないのか?

謝ること自体が嫌なのではなく、「謝る=全部自分が悪いと認めること」のように感じてしまう場合がある。

本来、

「ここは自分が悪かった」

と認めることと、

「全部自分が悪い」

と認めることは別だ。

しかし、その二つを同じように受け取ってしまうと、謝罪することへの心理的な抵抗が大きくなる。

だから、

「自分にも悪いところはあった」

と認める前に、

「でも自分だけが悪いわけじゃない」

と説明したくなる。

その結果、周囲から見ると「謝らない人」に見えてしまう。

本人からすれば、自分を正当化しているつもりはなくても、受け取る側には、

「この人は、自分が悪かったとは思っていないんだな」

という印象が残りやすい。

「言い訳」と「原因の説明」は同じではない

ここは区別して考える必要がある。

例えば、

「確認できていませんでした。申し訳ありません。次からは○○します」

という言葉なら、原因を説明しながらも、自分の責任を認めている。

これは単なる言い訳とは違う。

一方、

「そもそも○○さんが教えてくれなかったので」

と相手の問題だけを持ち出して終わるなら、責任を相手に移しているように聞こえる。

つまり、

原因を説明することと、責任を相手に押しつけることは別。

「なぜできなかったのか」を説明する前に、

「自分はできていなかった」

という事実を認めているかどうか。

ここが、原因説明と言い訳を分けるポイントになる。

関連記事:「後でやろうと思ってました」と言う人の心理とは?注意されたときに言い訳する理由

他責思考は直せる?自分にできたことを考える

他責思考を変えるときに大切なのは、何でも自分のせいにすることではない。

むしろ、

「自分に何ができたのか」

を考えること。

例えば、

「相手が教えてくれなかった」

で終わらせるのではなく、

「自分から確認することはできなかったか?」

と考えてみる。

相手に原因がある場合でも、自分がコントロールできた部分とそうでない部分を切り分ける。

これは自分を責めるためではない。

責任を100%自分に背負うのではなく、自分が変えられた部分を見つけるための考え方だ。

注意されたときに反射的に「誰が悪いのか」を探すのではなく、「自分にできたことは何だったか」と一度立ち止まる。

その習慣があれば、少しずつ他責的な考え方から離れていける。

他責思考の人は何を大切にしているのだろうか

「自分が悪いのに、なぜそこまで相手の問題を探すんだろう?」

そう感じる場面がある。

でも、その行動だけを見て「性格が悪い」「責任感がない」と決めつけると、そこで観察は終わってしまう。

もう一歩踏み込んで見ると、

「この人は、何を失いたくなくて、ここまで説明するんだろう」

という疑問が出てくる。

失敗そのものより、

「悪い人だと思われたくない」

「評価を下げたくない」

「プライドを傷つけたくない」

「自分はちゃんとしていると思っていたい」

そんな気持ちのほうが強くなっているのかもしれない。

だから、自分のミスを認めるより先に、相手の落ち度を探してしまう。

本当に興味深いのは、「誰のせいなのか」を探しているように見えて、その人が一番気にしているのは、実は失敗そのものではなく「失敗した自分をどう見られるか」なのかもしれないということだ。

「なぜ、この人はここまで自分の責任を認めたくないんだろう?」

と考えてみる。

そうすると、責任転嫁という一つの行動の奥から、その人が大切にしている価値観まで見えてくることがある。

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