暖色の光が包む部屋と、ぬるくなった麦茶の味。いつも通りの、退屈で平穏な夜を過ごしていた。片手間でSNSのタイムラインを無心に眺めている時、そのニュースは画面の上部から滑り込むようにして突如舞い込んできた。
ある大物が失脚するとのこと。
その瞬間を境に、私の部屋は静まり返っているのに、携帯の中はまるでサッカースタジアムの暴動の如く熱狂し始めた。
正義の旗を掲げたハイエナたち
ネットの住人たちの思考回路はどうなっているのだろうか。被害者を想って純粋に憤る者。はたまた、日頃の冴えない地獄の鬱憤を晴らすかのように、ここぞとばかりに加害者に対して言葉の刃を突き立てる者。私が焦点を当てたいのは、明らかに後者の群れだ。
普段は社会の理不尽に頭を下げ、感情を殺して生活している人間たちが、「合法的に殴っていい悪」を見つけた瞬間に、一斉にそこへ群がる。ハイエナという言葉が適切かどうかはわからない。だが、血の匂いを嗅ぎつけた獣たちが、暗闇からゾロゾロと這い出てくるような悍ましさがある。正義の旗を掲げながら、他人の尊厳をなぶり殺しにすることに興奮しているその群がり方は、どこかグロテスクで、薄気味悪い感じがする。
冷笑する底の浅い化け物
だが、そんなタイムラインの狂暴化を画面のこちら側から俯瞰し、「この光景、どこか浅ましいな」と冷笑している私自身はどうなのだろうか。
他人の人生が急転直下で右往左往する様を眺めながら、自分の感情までもが、画面をスクロールする速度にコントロールされていることに気づく。凄惨な事件に眉をひそめるフリをしながら、私の頭の片隅には「この熱狂をどう消費してやろうか」という卑しい計算があった。
正義の味方を気取って狂ったように湧き上がる有象無象の住人よりも、他人の不幸を冷徹に見下ろしていた自分の方が、なんとも情けなく、よっぽど冷酷で底が浅い化け物のように思えてならなかった。

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